新NISAの積立額は、年収より「毎月いくら残せるか」で考えます。同じ手取りでも住宅費や扶養家族、近く必要なお金が違えば、投資に回せる金額は変わります。月1万円・3万円・5万円を一律に勧める根拠はありません。
このページでは、家計の記録から積立額の候補を出す手順をまとめます。将来額の試算は積立シミュレーター、商品選びは投資信託の確認手順で扱います。
先に分ける3種類のお金
- 毎月使うお金:住居・食費・光熱費・返済など。
- 現金で備えるお金:失業・病気への備え、教育費や更新料など支払う時期が近い費用。
- 長く使わず、値下がりも受け入れられるお金:積立額を考える対象。
2番目の備えが不足している場合は、その補充を含めて家計を組みます。積立額が0円になる期間があっても、家計整理の結果として不自然ではありません。
家計記録から候補額を出すチェック表
給与明細や家計簿の実額を使い、ボーナスを除く通常月で記入します。変動の大きい支出は数か月分を確認してください。年間支出を月割りした金額は、毎月の生活費に既に含めている場合、二重に引かないようにします。
横に長い表は左右にスクロールできます。
| 項目 | 記入する金額 | 確認する資料・考え方 |
|---|---|---|
| A 手取り収入 | __円 | 税金・社会保険料控除後。フリーランスは納税用資金も別に確保 |
| B 毎月の生活費・返済 | __円 | 住居費、食費、通信、保険、借入返済など |
| C 年間・近い将来の支出への積立 | __円 | 税金、車検、更新料、教育費などを支払時期から逆算 |
| D 現金の備えの補充・予備費 | __円 | 現在の現金残高、収入の安定性、家族構成に合わせる |
| A − B − C − D | __円 | 投資に回せるか検討する残額。全額を投資する指示ではない |
残額がプラスでも、実際の引き落とし日まで資金が足りるかを確認します。カード積立のポイントを目的に、家計で用意できる額より多く設定しないようにしてください。
同じ手取り28万円でも候補額は変わる
以下は手順を示すための架空の家計例です。平均値でも、推奨金額でもありません。どちらも現金残高と近い支出を別途確認済みと仮定し、Dにはその月の補充額を入れています。
横に長い表は左右にスクロールできます。
| 項目 | 例A | 例B |
|---|---|---|
| A 手取り | 280,000円 | 280,000円 |
| B 生活費・返済 | 210,000円 | 230,000円 |
| C 年間支出への積立 | 30,000円 | 30,000円 |
| D 現金の補充・予備費 | 20,000円 | 20,000円 |
| 差し引き残額 | 20,000円 | 0円 |
例Aなら2万円のうちどれだけを長く使わないかを検討できます。例Bなら、積立を始める前に支出や備えを整える判断ができます。年収だけの表では、この違いを把握できません。
現金の備えは一律の月数で決めない
生活防衛資金の必要額は、休業時の収入、家族の収入、住居費、医療・介護費などで変わります。「生活費の何か月分」という目安を使う場合も、収入が止まったときにどの支払いが残るかを先に書き出します。近日中に使う教育費や税金を、相場回復待ちの資金と兼用しないことが要点です。
収入が不規則なら、調子のよい月を通常月として設定しないようにします。借入がある場合は返済負担も確認し、利息を負担してまで積立額を増やす前提にしません。
制度の上限と家計の上限は別
NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円です。両方を利用する場合は合計360万円ですが、月30万円をすべてつみたて投資枠で買えるわけではありません。非課税保有限度額は取得金額で合計1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円です。金融庁の制度説明で対象商品や枠の扱いを確認できます。
これらは制度上の枠であって、使い切る目標ではありません。家計チェックで残った金額と、制度・金融機関の買付条件の両方を満たす範囲で設定します。
将来額は低い利回りでも試す
毎月の額と年利を入力して、5・10・15・30年後を試算できます。最初に0%を入れると、運用益を見込まない積立元本を確認できます。その後、複数の仮定を比較し、必要額に足りないからといって高い利回りへ置き換えないようにします。
例えば月1万円を20年間積み立てる元本は240万円です。一定の実効年率5%を月利に換算して毎月末に積み立てる仮定では405.8万円ですが、実際には価格が変動し、240万円を下回る場合もあります。費用・税金・インフレはこの計算に含めていません。
増額・減額を見直すタイミング
- 増額を検討:継続的な手取り増、固定費減、現金の備えの充足を家計記録で確認できたとき。
- 減額・停止を検討:収入減、育児・介護、近い支出の増加、現金残高の不足が分かったとき。
- 価格下落だけでは決めない:お金を使う時期と、当初の投資対象・損失負担への考え方が変わったかを確認すると整理できます。
積立設定の変更と、保有商品の売却は別の操作です。停止しても保有商品の価格変動は続きます。締切日や注文済みの買付の扱いは利用する金融機関で確認してください。
よくある質問
年収500万円なら月3万円でよいですか?
年収だけでは決まりません。手取り、支出、現金残高、使う時期を上の表に入れてから候補額を考えます。
月1,000円では少なすぎますか?
適切な金額は目的と家計で変わります。買付可能な最低額も商品・金融機関により異なります。少額でも値下がりリスクはあります。
貯金が不足していても積立を続けた方がよいですか?
必要な支払いと現金の備えを優先して家計を確認します。積立を減らすことと、保有分を売ることは分けて考えられます。
自分の判断を残す3行メモ
- 投資に使わず残す現金と、その用途:____
- 通常月の残額と、設定する積立額:____
- 次に見直す日、または家計が変わる条件:____
この3行を説明できれば、他人の積立額や星評価に合わせる必要はありません。口座開設から初回買付までの手順と合わせて確認してください。
編集・計算確認:2026年9月5日。制度の参照先:金融庁「NISAを知る」、金融庁「よくある質問」。計算例やチェック表はコツミラによる説明用の作成物で、利用者の実績・調査結果ではありません。
本記事は一般的な情報提供です。投資には元本割れの可能性があり、将来の収益や受取額を保証するものではありません。個別の家計・税務判断は条件を確認して行ってください。
