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新NISAでFIREは可能?生活費・収入の不足額から必要資産を試算

コツミラ|初心者向け お金と投資の学び

FIREに必要な資産は、NISAの枠ではなく「資産でまかなう年間の不足額」から考えます。NISAの1,800万円は購入額を基に管理する非課税保有限度額で、運用後の評価額の上限ではありません。

このページでは、生活費・働く収入・年金を分け、仮の取り崩し率を変えて必要資産の感度を見る手順を示します。退職の可否や安全な取り崩し額を判定するものではありません。

最初に埋める4項目

  1. 年間支出:生活費に税金・社会保険料・臨時支出を加える。
  2. 継続する手取り収入:仕事や事業など。継続性も確認する。
  3. 年金等の収入:受け取り始める年齢と手取りを分ける。
  4. 資産でまかなう不足額:支出から、同じ期間に受け取れる収入を引く。

まだ受け取れない年金を、退職直後の収入へ足さないことが重要です。

1,800万円の取得額と評価額を区別する

NISAの非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠の合計で取得金額1,800万円です。成長投資枠だけで使えるのは1,200万円までです。値上がり益で時価が1,800万円を超えても、そのことだけで枠を超過するわけではありません。金融庁のNISA制度説明と非課税保有限度額に関するFAQが根拠です。

例えば、購入額1,800万円の商品が評価額2,400万円になった場合、枠の使用額は購入額を基に判断し、退職資金の試算にはその時点の評価額を用います。逆に評価額が1,200万円へ下がっても、購入額が自動的に減るわけではありません。この例の値上がり・値下がりは説明用の仮定です。

旧版の「1,800万円枠だから取り崩せるのは月6万円」という説明は、取得額と評価額の違いが不明確でした。月6万円は時価が1,800万円の資産に、仮の年4%を掛けた初年度の算数であり、NISAで得られる生活費の上限ではありません。

年間支出から必要な取り崩し額を出す

横に長い表は左右にスクロールできます。

手取り収入を差し引く説明用の仮定例
年間の項目例A:就労収入なし例B:一部働く
生活費・税・社会保険料・臨時費用の合計300万円300万円
同じ年に使える就労等の手取り収入0円120万円
資産でまかなう不足額300万円180万円

例Bは、年間120万円の手取り収入が続くと仮定しています。仕事が途切れれば不足額は増えます。支出を月額だけで考えると、住民税、保険料、住宅修繕、医療・介護などを落としやすいため、年間表にします。

仮の取り崩し率で必要資産を比較する

参考資産額 = 資産でまかなう年間不足額 ÷ 仮の初年度取り崩し率

次の2%・3%・4%は、差を確認するために置いた仮定です。安全性を検証した率でも、毎年の運用利回りでもありません。資産が何年間もつかはこの割り算からは分かりません。

横に長い表は左右にスクロールできます。

年間不足額と初年度取り崩し率の感度表
年間不足額仮に2%仮に3%仮に4%
120.0万円6,000.0万円4,000.0万円3,000.0万円
180.0万円9,000.0万円6,000.0万円4,500.0万円
240.0万円12,000.0万円8,000.0万円6,000.0万円
300.0万円15,000.0万円10,000.0万円7,500.0万円

年間不足額180万円なら、4%を仮定すると4,500万円、3%なら6,000万円になります。「4,500万円あれば退職できる」という結論ではなく、採用する前提だけで1,500万円の差が出ることを読む表です。

取り崩し方の違いを混同しない

「毎年その時点の資産額の一定割合を売る方法」と「初年度の取り崩し額を決め、その後は物価などに合わせて調整する方法」は別です。前者は相場下落で生活費も減り、後者は下落時にも必要額を売ると資産を多く取り崩します。

本記事の表は初年度の比率だけを比較しており、いずれの方式についても長期の資産寿命を計算していません。4%という数字を、元本を減らさず毎年得られる利息のように扱わないようにしてください。

退職直後と年金受給後は別々に計算する

例えば年金受給前には資産から年間300万円が必要でも、受給開始後には不足額が小さくなる場合があります。逆に医療・介護や住居の費用が増える場合もあります。1つの不足額を生涯に当てはめず、「受給前」「受給後」「大きな支出がある年」に分けて整理します。

年金見込額は日本年金機構のねんきんネットで確認できます。表示された見込額と実際に使える手取りは分け、税金・社会保険料も見積もります。

想定が崩れたときの確認表

横に長い表は左右にスクロールできます。

退職判断前に確認したい条件
変化計画に起きること確認する項目
退職直後に価格が下落同じ生活費を得るための売却割合が上がる投資資産以外の現金、支出調整、働く選択肢
物価が上昇同じ暮らしに必要な支出が増える固定額の生活費で計算していないか
仕事の収入が途切れる資産からの不足額が増える収入をゼロにした場合も計算する
修繕・医療などの一時費用毎年の生活費とは別に資金が必要使う時期が近い分を現金等で分ける
税・費用・為替の変化手取りや評価額が想定とずれる口座・商品の条件、実際の支払い

現金を何年分持つかにも一律の正解はありません。支出の固定性、家族の収入、再就職のしやすさなどで変わります。取り崩し率を低くするだけで、すべてのリスクが解消するわけでもありません。

積立段階では家計から可能額を決める

不足額を見てから無理な積立や高い利回りを前提にしないようにします。まず家計チェック表で長く使わない金額を整理し、積立シミュレーターで複数の年利を試します。計算条件は積立額比較と計算式にまとめています。

シミュレーターは積立期の数学上の試算です。退職後の取り崩し、年金、インフレ、NISA残枠を含む退職可否判定には対応していません。

最後に残しておく計画メモ

  1. 年金受給前・受給後それぞれの年間不足額。
  2. 投資資産の時価と、近く使う現金。NISAの取得金額とは別に記録。
  3. 取り崩し方式と、その前提が崩れた際の対応。
  4. 家族との確認事項と、専門家へ確認する税・年金・社会保険の条件。

FIREを目指すかどうかにかかわらず、ここまで整理すると「NISAの枠を埋めること」と「生活費を準備すること」を分けて判断できます。

編集・計算確認:2026年9月5日。制度の参照先:金融庁「NISAを知る」、金融庁「よくある質問」。計算例やチェック表はコツミラによる説明用の作成物で、利用者の実績・調査結果ではありません。

本記事は一般的な情報提供です。投資には元本割れの可能性があり、将来の収益や受取額を保証するものではありません。個別の家計・税務判断は条件を確認して行ってください。

この記事を書いた人:高橋 恒一

コツミラ運営者・記事制作責任者。会社員として働きながら、新NISA・インデックス投資を中心に長期・積立・分散を実践しています。金融庁などの一次情報と各社公式情報を優先し、AIを補助的に使用する場合も内容を確認・編集して公開します。金融資格者・投資助言業者ではありません。 運営者情報・編集ポリシー

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